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2016年 2月 22日 ド文系にとってのドップラー効果 【おーうち】
こんにちは!大内です。
今日は、定期テストと大学受験勉強の両立について書きたいと思います。
他の担任助手が具体的な方法について書いていると思うので、僕はもう少し枠の大きな話をしようかと思います。
皆さんが定期テストと受験勉強の両立において一番苦労するのは、おそらく受験で使わない教科の勉強でしょう。
よく質問がきます。
「受験で使わない教科はどうするのか?」
なるほど。
たしかに、その気持ちは分かります。
受験で使わないけど、学校のテストはあるからやらなければ、、、でも凄い時間が無駄な気がする、、、ってね。
では、逆に質問です。
受験がなければみなさんは勉強しませんか?
んー、例えば、中学や高校の行事で京都に行ったりしますよね?
清水寺、二条城、鹿苑寺金閣、慈照寺銀閣、龍安寺、、、、
街には由緒ある歴史的建造物が並んでいますが、これらの建物についてなーーーーーんにも知らない人と、「あ、このお寺知ってるぞ」「あ!これ写真で見たことある!ホンモノじゃん!」という人と、
どちらが楽しく京都見学できると思いますか?
そう。知っている人ですよね。
おそらく何も知らない人は、せいぜい
「おお。きれいだな、へぇー」
くらいです。
それら京都の史跡は、ただ外見がきれいだから世界遺産に登録されているわけではありません。
そこに現在たたずんでいるのは、きれいだからという理由だけではなく、様々な歴史的な背景があるからです。
皆さんはこれから、京都のお寺だけでなく、他にもたくさんのモノや人と出会い、その度に楽しいと思ったり、面白いと思ったり、不思議だと思ったりするでしょう。
その時に、何かを知っていればいるほど、その何かを感じ取る感覚は深く、研ぎ澄まされます。
物理の授業でドップラー効果を習った次の日、いつもはなんとなーく聞いていた救急車の音が聴こえてきます。
その時、多くの人はいつもより耳を澄まし、横を通り過ぎる瞬間に立ち止まったりもするでしょう。
おお、これがドップラー効果か。
昨日までは救急車の音はただ聞き流していたけれど、ドップラー効果を知ることによってその音が、昔よりも輪郭のはっきりしたものになります。
これが、知ることだと思います。
実は、僕はドがつく文系で、受験型も私立文系世界史選択だったので、学校ではドップラー効果を習いませんでした。
でも、高校生の時にふとしたことでドップラー効果という言葉だけを知り、そのあと「ドップラー効果は救急車が通り過ぎる時に、音が変になるアレ」という程度のことを知りました。
でも、僕の中でまだ救急車の音の輪郭は、はっきりしませんでした。
なので、理系の兄の部屋に行き、
「ドップラー効果って何!?」
と質問しました。
兄が説明を始めます。
「音の波がこうあってさ、それが…」
「え、音って波になってるの?」
「んん!?お前そこからか!!!」
兄はド文系の僕に呆れながらも、「そもそも音っていうはな…」という物理の基本的な説明から始め、最終的にドップラー効果がどのようにして起こるのかを分かりやすく教えてくれました。
「おおお!なるほど!!」
あの時の喜びというか、感動というか、世界が広がった感覚が、なぜか忘れられません。
今でも僕は、獣医学科担任助手の藤倉に、
「なぁなぁ、ナトリウムチャネルって何なの?」
などと質問をします。
こんなことを言うと、「お前、その知識何に使うんだよ??」という人もいるかもしれません(ちなみに藤倉は決してそういうことを言いません)。
でも僕は、「何かの役に立つから覚える知識」しか持っていない人生なんて、つまらないと思います。
もしかしたらその知識を具体的に使うことはないかもしれないけど、知っておくこと。
これがいわゆる”教養”なのだろうし、それが人生を楽しく、深く、豊かにするのだろうと思っています。
なかなか大きな話になってしまったし、こんな未熟者が何を言う!と自分でも思ってしまいますが、そう考えると、
ド文系の人が定期テストで勉強する生物も、
ド理系の人が定期テストで勉強する日本史も、
皆さんの人生を豊かにするための、ひとつのカケラなのかもしれませんよ。
さぁみなさん、学年末テスト頑張ってくださいね!