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2023年 2月 14日 広角レンズ(東京大学理科一類)

こんにちは。藤井です。最近有名な藤井さんが多くてちょっとうれしいです。将棋をやったり歌を歌ったりしてますからね。ちなみに親鸞の本名は藤井善信らしいです。じょうどしんっしゅ。

それはおいておいて、この前久々に眼科で眼鏡をかけたときの視力を測ってもらいました。Cみたいな記号(ランドルト管)がいっぱい載っていて、上だ下だなどと言わされるやつです。どっちが右かわかんなくて左を指さしながら「右!」って言っちゃったのは秘密です。検査の結果、ちょっとのことで近視が進んでいました。あんまり物を近くで見ないようにはしてたんですがね、、やはりスマホとか見すぎなんでしょうか。

でも近くしか見えなくなっているのは私だけではないはず。というか人類みんな近くしか見えていないんじゃないかって最近思うんです。物をあまりにミクロに正確に見ようとするからでしょうか。世の中の風潮でしょうか。せかせかしている近代の産物でしょうか。もちろん、目の前の幸せを高い解像度で眺められるのは素敵なことです。

ただ、受験勉強において「近視」は大敵です。近くしか見えていない人と、大きな視点でものをみられる人とでは決定的な違いがあるからです。

例えば試験時間の使い方を考えてみましょう。とりあえず目先の問題をどんどん解いていこうとする人も、もちろん偉い。偉い。偉いけど、爆発する可能性が高いことは皆さんご存じの通りです。時間がなくなって手をつけるべきだった問題を失ってしまっては非常にもったいないのです。全体をみて、どの問題をどれくらいのタイムスパンで解いて(あるいは解く順番をいじる人もいますよね)いけばいいのかを考えていける人の方が強いのは間違いないでしょう。

試験時間という短い時間でもそうですが、もっと大きなスパンのことでも同じことが言えます。自分が今したい勉強をやっている人も、偉い。苦手なところを頑張ってつぶしている人も、偉い。でも毎日その場その場でやる勉強を決めていては積みあがったものがきっといびつになってしまいます。自分に残された時間を大局的に把握して、「自分が最も高い合計点数を得るためには何が必要なのか」をしっかり見極められる人がやはり強いのです。だから月単位の計画を立てて、週単位でやることを決めて、というステップを踏むのです。

これは時間に限ったことではありません。英語の試験問題を例にとってみましょう。共通テストの問題を手早く解ける人って世の中にいますよね。何であんなことができるのかというと、おそらく文章を読むときにとても広い視野を持って読めているからです。どの段落にどんなことが書いてあったのかの大枠がちゃんとつかめていて、だから問題がすらすら解ける。わからないところがあってもすぐに解答の根拠になりそうな場所に飛べる。こうやってサクサク進めていけるから強いんです。これは一朝一夕で身に付く力ではありません。細かいことから丁寧に積み重ねてきた成果としての大局観です。

数学でも同じです。式を変形していたら自分が何をしているのかがよく分からなくなってしまった経験、みなさんもきっとあると思います。なぜあそこで迷子になってしまうのか。それは議論の流れを大局的につかめていないからでしょう。解答全体を一歩引いた目線で見て、何がしたいのかを明確につかめているかが結局関係してくるのです。目先のものをゴリゴリ変形するだけのゴリラはなかなか正答にたどりつけません。

国語は特に、さらに広い範囲の視点を要することがあります。もちろん文章を理解することも、問題を理解することも大事です。しかしさらなる高みを目指すには出題者が問題をどう作っているかにまで思いをはせるべきです。どうしてそこに傍線部を引いて問題を作ったのか。受験者には何を書いてほしいと思っているのか。そういったことまで考えて解答を書けるようになると点数がブチアゲ↑になります。

何事も、ときに一歩引くことが大切なんですね。勉強に疲れたら、たまには空でも眺めて、今の自分を一歩引いて見つめてみてください。きっと、前よりも少しだけたくましくなっているはずです。